cynical

先日、映画・ダイナーを見た後に、恐ろしくて完成度の高い夢を見ました。

まさにあのダイナーの華美な色彩のシーンの連続なのですが、最初のシーンでは、アメリカで会ったことのある友人が、2頭身になっているんですね。その友人とすれ違い、一瞬同一人物であることがわからず、振り返るところから始まりまして、途中で彼女と同棲している部屋に狂った大家がやってきて、平然と過ごし始めるというおかしな日常が始まります。彼女だけがまともなのですが、それ以外はみんなフリークスで、突然スプラッタし始めるので恐ろしい感じの世界観でした。

冒頭に出て来た2頭身の女性を勘違いで手術ショーに出してしまった経緯について知る人物を踊り場まで追いかけたところで夢は終わったのですが、やはり、映画を見て良かったと思いました。

私の予想では、まともな彼女が黒幕だと思うのですが。

また、アーティストステイトメントというよりも、活動の方向として

「シニカルな”まま”で、優しい世界を作る」

ということを考えたりしました。

天然パーマは「今は」表現だけど、小さい頃はそうじゃなかった

私は生まれつき、髪型に癖がある。

小学生の頃というのは、マイノリティ差別が激しかった。同年代の子たちからの目線を気にしていた。縮毛矯正も欠かせなかった。

30才になってやっと、「天然パーマっていいね」という言葉を素直に受け入れられるようになった。見た目は一つの表現だと受け入れられた。髪型は自分で選ぶことが出来る以上、表現になるのだ。

いじっていた側が自由の象徴として褒めてくる

『凪のお暇』というドラマを挙げて、「天然パーマって新しい時代の自由の象徴だね、かわいいよね」と、私に伝えた人を見て、私は結構驚いた。

「お前、天然パーマいじってた側やん」と。

私は子供の頃は、髪型を自分で変えることはできなかった。それは、子供であるがゆえの「選べなさ」だった。まっすぐが正しいと思っていた。だから、あの時の天然パーマは「表現ではない」。

キャラクターと髪型

キャラクターの髪型は、キャラクターの性格や心象を表すものとして広く用いられている。しかし、私はキャラクターではないので、私の髪型は性格を表していないし、ましてや心象も表していない。

「天然パーマは自由の象徴だね」

ということを、『凪のお暇』という作品の凪について言うのならわかる。

「天然パーマは、揺れる心を表しているんだね」

ということを、『弱虫ペダル』という作品の手嶋について言うのならわかる。

天然パーマは虚構の中では心象表現に有効だ。でも、私の髪型は、新しい時代の自由の象徴ではなく、単純に私のものだ。私は象徴になりたくない。

許可制の自由

私の髪型は、たまたま、巻き毛で、縮毛矯正にこだわらなくなっただけだ。矯正しなければならない、という強迫観念を捨てただけだ。

「強迫観念を捨てた」として扱われる「自由」ならいい。

でも、マジョリティのための「自由」にはなりたくない

マイノリティとして扱い、許可証を求めてきたくせに、今度は自由の象徴だと持ち上げられて、信じることは出来ない。 今、「自由の象徴」という風に褒めても、きっとすぐに、マジョリティ側は飽きるだろうと思っている。

私は、マジョリティ側のための「自由」にはなりたくなくて、「私のために自由」がいいなと思っている。

2020tokushima

https://www.city.tokushima.tokushima.jp/johaku/event_calendar/index.html

徳島市立徳島城博物館

「芸術ハカセは見た!」

2020年1月9日〜24日

開館時間午前9時30分から午後5時(入場時間は午後4時30分まで)
休館日月曜日(祝日の場合は開館)
祝日の翌日(日曜・祝日の場合は開館)
年末年始(12月28日から1月2日)
館内燻蒸作業(6月4日から7日)
特別展開催準備(10月18日)

2019JULYbook

異類婚姻譚の「犬たち」、とてもよかった。あの冷たさ。「スミラの雪の感覚」を思い出し、とても癒された。その感覚でいくと、「ウォーターランド」が、最近は私を匿ってくれている。

reconsideration_taming

KINTO MINAMI’s the Taming of the Shrew

2019年7月18日にカオス*ラウンジの「芸術動画」にて講評をしていただきました。

  • ビデオ作品の踏み込みが甘い
  • ステイトメントがとっちらかってる

主にこの2点が重要だったと思います。

他の方の講評も大変参考になり、気になる作家さんとの出会いもありました。

  • 作品はまず衝動で作ってもよい
  • 作った後にゆっくり考えたり言葉にしてもよい
  • 作品を作った後によく考える時間をとり、次の作品へ

このあたりも、本当にそうだな、と思いました。
実際、会場では長いステイトメントは用意していなかったのですが、作品を再度考えるために、少しまた文章を書いて見ました。また何度か考え直してみたい作品です。

「金藤みなみのじゃじゃ馬ならし」
(シェイクスピアの)じゃじゃ馬ならしは劇中劇の構成をとる演劇ですが、劇中劇の外側の話に戻らずに話が終わります。まるで、現実から夢に移行し、夢から現実に戻らずに閉幕してしまったような構成です。私は、劇中劇のカテリーナが、男性の夢であるだけではなく、俳優ファンの女性たちの夢にもなっていたのではないか、ということを、異性装の鬼ごっこを通じて表現しました。じゃじゃ馬であるカテリーナは、結末に向かって男性の夢である理想的な女性へと変身していきます。なぜ、カテリーナが男性の夢そのものになるように駆り立てられたのでしょうか。「可愛い」と言われたいからです。「可愛い」と言われたいがために、男性の夢そのものになるように駆り立てられるのです。私は、カテリーナのようなポジションになる危険性を持っているので、男性の夢になりたがる気持ちがよくわかります。このような気持ちは、俳優であれば誰もが持つかもしれず、ファンを魅了するために、鑑賞者の夢であろうとします。この構造は、そもそも演劇という形式から逃れられないものです。鑑賞者の夢である演劇を「終わらせないまま」閉幕させたこの作品を、異性装劇として映像の中の役たちが「終わらせようとする」ことで、次に進みたいと考えていました。

2019年7月17日(木)

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detail
Exhibition view

THE CRYING WOMEN

2018 video installation 4:54min. roop, solo channel video. Edition 10

名称 : TAV GALLERY 5th Anniversary Exhibition「MID CORE」
会期 : 2019年7月6日 (土) – 7月21日 (日)
会場 : TAV GALLERY (東京都杉並区阿佐谷北1-31-2) [03-3330-6881]
時間 : 13:00 – 20:00
休廊 : 水曜、木曜

出展作家 : 磯村暖、UMMMI.、遠藤麻衣、オートモアイ、金藤みなみ、草刈ミカ、熊倉涼子、縄文族、真珠子、菅原玄奨、鈴木操、高田冬彦、田中かえ、TYM344、永井天陽、中島晴矢、PERMINUTE、林千歩、彦坂尚嘉、馬嘉豪、MES

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Information

自由出品にて参加予定
「After Opening」 6/22(土) ~ 7/7(日) 14:00 ~ 20:00 金土日祝のみオープン 投げ銭制 新宿区四谷4-13-1 四谷未確認スタジオ

https://www.yotsuyamikakunin.com

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Side view

format

アーティストサインの入ったエディション1/100のレーザープリントと99枚のレーザープリント(それぞれ182×257mm)および刺繍で出来たソフトスカルプチャー(190×100×48mm)で構成されるインスタレーション。エディション2/100から100/100までの紙片は全ての来場者に1人1枚ずつ1/100をのぞいて提供され、配布用紙が無くなり次第配布提供を終了する。配布用紙は追加提供されない。著作権・頒布権・改変権・翻案権は作者がこれを保持する。

An installation consisting of an edition 1/100 laser print with an artist sign, 99 laser prints (182 x 257 mm each) and a soft sculpture (190 x 100 x 48 mm) made with embroidery. Pieces of paper from edition 2/100 to 100/100 will be provided to all visitors one at a time, 1/100, and distribution will end as soon as the distribution forms are exhausted. No additional distribution forms are provided. The author holds the copyright, distribution right, modification right and adaptation right.

暴動の日

星空文庫にも公開していて、チャプターで分かれているのでわかりやすいです。

金藤みなみ「暴動の日」

2040年

生まれた子供をロケットに入れることは、まるで自分が地面から5センチ浮いているような、不安定な気分にさせられた。

ロケット。これに入れれば、子供たちは年金を払わなくていいのだ。生まれたときにこうしてくれていたら、僕だって幸せだったのに。

こういう、親がこういう習い事を教えてくれていたらとか、もっと勉強しやすい環境だったらとか、スポーツに資金をかけることに理解があったらとか、いまだに思うけど、結局、今は、『年金に縛られたこの世界に子供を生んでいいのか』ということで、僕は頭をかきむしることになった。

僕としては、生きられる年齢を縛られた方がよっぽど良いと思って、それを選んだ。

しかし、僕は選んでいたようで、結局のところ、テルに選ばされていたのだろうか。

むしろ、親にその制度を選んでもらえていたら、今まで払ってきて、しかも返ってこない掛け金を、全部取り返せていたという、どうしようもない憎悪を、どうすることもできなかった。

だから、年金から逃げ続ける、30年に縛られた命を、僕は僕たちの子供に保証した.

だけど、その子は、いつか親としての僕を憎むのだろうか。

本当にこれでいいのか、決めていたのに、これから自分自身が死ににいくという時に、今更迷った。

僕は、あと24時間後、ロケットに乗る、つまり、死ぬ。

それまでに、僕たちの狂った日、いや、狂っていなくて正しい日、つまり、暴動の日についてを配信しておきたい。

そのためには、ロケッターについて、暴動の日の主犯についてを話しておかねばならない。

ロケッター(ロケット世代)のこと

年金制度が死んでから、新しく始まったのが、ロケット契約に代表される制度だった。

年金制度自体はなくならず、だんだんと、学生にも、10代にも、納税義務が課せられるようになった。

安楽死が合法化され、腹の底から死にたがる子供が増え、ゆとり世代と言われた30代が未来に失望してこぞって死んだ。

また、安楽死はだいたい70才からというのが(年金が支払われるのがかつては70才だったからか)定説となり、安楽死を自身で保険証に書き込んでおく欄ができた(もちろん、自由意志に任されているが)。だいたいは70才と書き込むことが多かったが、だんだんと、その年齢は下がっていった。

2030年、30〜40代はほとんどいなくなり、50代以上〜100才までと、20代以下だけが残った。僕は20才だった。50才以上は、意識のあるものは20代以下を支援することもあったが、ほとんどは自身の金を身内のための貯蓄にまわした。

そんな時に、「年金を支払わない代わりに、安楽死の年齢を決める」という制度が提示された。

最初、その制度をチラつかせた議員が、八方から糾弾を受け、辞職に追い込まれた。

しかし、だんだんと、年金を収めずとも、「活動的に生きてもらう」ということによる経済効果が無視し難いところまで発揮され、若年層の間で、短い人生を活動的に生きるという方向へブームがやってきていた。

ついに生まれた時から年金の納税義務が発生し、払えない分は、利子付きの借金として扱われることとなった。

未来が見えづらい今日では、安楽死の日が決まっていることによって、年金を支払わなくても済むという制度のディストピア感が、むしろ若年層に支持され、世代別投票で新制度が作られるように、議会は動いた。

詳細が議論され、安楽死希望を40才以下にする人間を中心に消費税・所得税を減免する制度として固まった。また、さらに若く、30才までと年齢を決めていれば、社会効果がより望める大きな挑戦をしてくれる、という意見により、30才までの人生であれば、年金は完全に免除された。東京は、この制度を利用するものに宇宙旅行を保証し、そのうち、契約を結んだ10代を中心に、都庁にあるロケットの模型と共に自撮りをし、配信することが一台ブームとなった。そこから、この新制度を利用する者は、人生を短く華やかに生きる世代として、「ロケッター」と呼ばれるようになった。

この契約を結ぶ権利は、13才未満の親・未成年後見人または13才以上の本人にある。当然、13才になってから、契約を結び直すこともできる。でも、今まで支払っていなかった年金を一気に払うことができない人の方が多いし、分割には利子がつく。その利子を払いきってから、年金がもらえるようになるまでの50代から70代までの間に、まともに働けなくなるものも多かった。

すると、やはり安楽死を選んで、掛け金を取り返し、市場に金をばらまいてもらう、というほうが、社会のためには何かと良いのだった。

テルのこと

言っておくが、僕は「暴動の日」の主犯ではない。

主犯はテルだった。

テルを見たのは、彼のサブチャンネルのサジェストが最初だった。

その頃、ロケット契約は絶対に違法であり、そんなものが実現することは100%あり得ないと、誰もが思っていた。

テルは人生のバランスが偏っていて、息をするように配信に人生の多くの時間を割ける男だった。

編集は緻密で、スッキリ見やすい動画が多かった。

主にゲームと生活についてのチャンネルで、中でも、ただテルが真っ白な部屋で物を捨てていく動画は、ファンからの圧倒的な支持を得ていた。

テルは、激しく聴衆を叱りつけるようなタイプではなく、CGのような滑らかな肌と艶やかな髪をゆらゆらさせながら、ボソボソと喋り、好かれることにてらいがなく、そして、いつの間にかファンが味方につき、ファンとアンチが勝手に戦い始めてしまうような、扇動してしまうような、恐ろしい魅力を持っていた。

僕はゲーム実況のチャンネルを持っていたが、あまり稼働させていなかったが、テルが僕に熱心にコメントをしてくれた。

「君の動画は、普通の感覚を持っていていいですよ!」

と、テルに言われた時は、バカにされているのかと思ったが、それでも、褒められ、認められたことが嬉しかった。

テルが、僕の小さなチャンネルにコメントを書き込むごとに、無数の聴衆がやってきて、わざわざ批判を書き込んで去っていって、ついに僕はチャンネルをやめたが、テルのサブチャンネルの管理を任されることとなった。

その頃、僕は行政書士の仕事にあまり行かなくなっていた。

行ったところで稼いだ金の多くが納税されてしまうのだ。

「それなら働いている場合じゃない」

テルが言うように、僕は思った。

テルは僕と配信なしにでも会うことを好み、自分の父親がロケッターの提唱者だということを告白した。そして、親が安楽死ではなく死んだということも言った。僕は重たいと思った。でも、テルの口調からはその重みは感じられなかった。事実だけが、ずっしりしていて、話し振りはどこまでもツルリとしていて綺麗だった。

年金崩壊から安楽死可決までの間、テルはロケッターになった時のために、着実にバジェットを計算していた。そして、今までの掛け金を取り返してから、彼が飛ぶまでに、デモのファッションを通販し、老人は死ねデモを盛り上がらせ、官邸前で音楽イベントを成功させた。彼のすごいのは、若年層だけではなく、死ねと言われている老人たちにすら支持されていて、DJの中には、70代の者もいたということだ。

テルは言った「みんなの考えが豹変する様子を見るのが楽しいんじゃないか」と。

このデモの終わりには、テルは必ずコンビニの窓を割った。

そして、窓を割るということがなんでもないことのように、学校で問題児が行う、一般的な、普通のことなんだということを、聴衆に刷り込んでいった。

暴動なんて、東京では起きないとずっと言われていた。それが、このカリスマの作ったイベントの、音楽によって、ファッションによって、絵画によって、ダンスによって、パフォーマンスによって、むしろ、一挙手一投足によって、様変わりしてしまった。

僕は、イベントでの物販の手配や、人間が集いすぎて圧死してしまわないように、割れたガラスで怪我をしないように、人数制限と予約管理をしていた。

そのうち、課金の多いファンの予約を優先するようになった。

僕が悩んでいた時に、資金繰りがうまく出来ず、節約がうまく出来て居ないと落ち込んで居た時に、テルは僕に言った。

「いや、みんな、もう、十分節約してる。みんなもう、十分にやっている」

この言葉に、僕は随分救われた。

そうだ、僕らは、もう十分、節約してるし、使いすぎているところは見直しているし、住宅費だってなるべく抑えて、先取り貯金でがんばって、よく、よく、やってきているじゃないか、と。

テルのお姉さんは、テルに「あんた、本当に借金返す気があるのなら、コンビニとかの日雇いバイトでもして、一ヶ月で返せる額でしょう」と言った。

テルは、「あの人、よく、コンビニバイトの人にも、僕にも、差別的なこと思いつけるよね」とせせら笑った。

コンビニで働いている期間、会社の仕事はどうするのか。全額を姉への借金返済に使ったとして、生活費はどうするのか、長期的に続く仕事をやめ、短期でコンビニのアルバイトをし、研修もそこそこに辞めることがばれないように面接を受けろと言うのか、あらゆる点で、テルは正論だった。

テルのファンが議員になり、若年層の納税義務を取り払い、代わりに彼らを安楽死に導いた。安楽死の前に、荒々しく金を使わせた。老人議員たちには、この若者たちの金払いの良さによって、景気が良くなっていく様を、数字で示した。

精子バンクグループや卵子バンクグループのようなものが作られ、テルは真っ先に僕の子供が作られるように、提供者として僕を選んだ。

「君は、ふつーの人代表だから」と、テルは僕の緊張を解きほぐした。

僕の子供が、これから、年金に縛られない世の中に生まれてくる予定だった。

テルは全部うまくやった。親として、自分の子供をロケッターとして自由に生きさせるところまで見せた。僕も当然そうすべきだと思った。

ロケッターは、待機児童にならない。国が保育施設に資金投入したからだ。

ロケッターは、好きな教育が受けられる。お稽古事も、スポーツクラブも、通いたい放題で、むしろ、学校に行くよりも、塾に行くことが奨励された。

その頃、テル自身が議員になっていた。

電車にも定員がある、と言い残して、テルは29才で議員を辞職し、安楽死の日までに、様々なベンチャーに少額投資をしはじめた。僕は28才で、いまだに彼の秘書みたいなことをしていた。自分のチャンネルは、もう動かさなくなっていた。

安楽死の期日は自分で決めることが出来るが、暗に他人によって決められてしまうことを、大きな権力によって決められてしまうことを、「トランスファ(転送)」なんていうようになっていた。権力は、宗教であることもあるし、親であることもあった。

テルは、チャンネルの視聴者たちに、自分をトランスファしてもらうことを選んだ。

そして、彼が主犯となる、あの日を迎えることになる。

センヨウさんのこと

あの日について語る前に、センヨウさんのことについても触れておこう。

センヨウさんは、一緒に秘書をしていたが、ちょっと意地悪だなと思うことが多かった。違法というほどひどいことをされるわけではないが、予約のミスをすると、「あなただけができていない、他の人はみんなできている」とネチネチと言い、そのくせ、自分はかなりサボる方だった。

配信中の自動文字起こしを、調整する仕事を、「日報」と言っていたが、日報を良くサボった。

二人で組むと、仕事のしわ寄せが自分にきてしまうのだ。

秘書グループの全員にセンヨウさんは嫌われていたので、僕としてはやりやすかったが、センヨウさんと僕の出社日には気が滅入った。

『ひどすぎるね。センヨウさんは病気なんじゃないかと話しています。ごめんね、はやく新しい人材を確保できるように考える』と、テルは言ってくれた。僕は、はやくセンヨウさんをなんとかしないと、みんなが不幸になってしまうと思った。人の不幸を祈るなんて、私は、結局じぶんにかえってきてしまうから、そんなことできないと思っていたけど、でも、みんなが狂って、混乱してしまう。やっぱりセンヨウさん、の命は、『トランスファ(転送)』するべきだった。トランスファなんて、殺人のことを、次の世界に飛ばす、といったような、ファンタジーでまとめなければ、僕らは心を保っていられなかった。

結局センヨウさんは仕事を辞め、そのあとのことは知らない。

暴動の日

暴動の日になった。

エモーショナルな配信が、そこら中で行われ、言葉が紡がれ、歌われた。

この日は、物語として、あらゆるチャンネルで消費された。

テルの信者が、僕に近づいてきて、自分が生まれてきて本当によかったと言った。

みんな、テルがデザインしたジャケットを着ていた。

ネイビーの細めのストライプのデザインがあしらわれた丸襟、キュートなパフスリーブ、金のボタン、白いスカートのようなズボン、こちらも縦にストライプ、そして、蛍光に光るビニールタイプのイエローベスト。

イエローベストは、フランスの暴動に触発されているものの、イエローであればなんでもよいとされていた。

けれど、やはり、テルのデザインした、ゆったりとしたユニセックスなベストが一番売れた。

サコッシュやビニールでスケルトンタイプのイエローのカバンも流行っていた。

暴動の中心にテルが立ち、号外を配った。

視聴者たちの中で、長い議論があったあげく、トランスファは取り下げられ、テルは長く生かされることになっていた。

テル(たち)が半年ほどかけて割り続けた街中の窓ガラスで足を怪我しないように、ゴツめの黒い安全靴が流行っていた。

最初はコンビニのガラスが割られても、すぐに復旧していたが、そのうち、割られたコンビニの店員たちが味方し、コンビニの中のありとあらゆるガラスが割られ始めた。

そして、街へとガラス割りが広がり、占拠したエリアの入り口で、テルはさながら検問のようなことをやり始めた。

テルが官邸前で火を放ち、周りで乱闘が起き、何人かの犠牲が出ている間、マイクを手にとって言った。

「俺たちは怒っている。俺たちは増税に怒ってる。俺たちが暴動を起こさないと思ったか?『みんながやっている』を作れば、俺たちは暴動を起こすぞ。簡単なことなんだ。俺たちはそう言う風に生まれついているからな。むしろわかりやすいスイッチで助かったよ。なあ、わかってるのか、返せよ、満額で返せよ、俺たちを返せ、貸してるもの返せって言ってるだけだよ、自由を返せ」

聴衆が完成をあげ、乱闘が続き、泣くものが続出し、突然、背後から小柄な若者がダンプのような勢いでやってきて、テルを刺した。

テルは抵抗した。

しかし、そいつはなんども何度もテルを刺し、刺しながら、「ありがとう!ありがとう!」と叫んでいた。

多くの大人に若者は取り押さえられた。

暴動の日は、テルがかつて安楽死を決めていた日だった。

テルの死を、僕は前後不覚のまま、泣き叫びながら、世界に配信した。

テルに、おい、おい、と声をかけていた。

みんなが灯油タンクを手にしていた。

「このままやろう」と、テルは言った。

自分が決めたことを覆さない、ということに、テルは誇りをもっていた。

テルに、代わりに僕が全部やれ、と言われた。

僕にはできないと思った。

テルは、小声で、痛いとか、グロいとか呻きながら、最後に、「君はすごいよ、ちゃんと会計やってさ、子供に未来を与えてさ、普通を生きてるよ、普通はすごいことだよ」とか、そういったことを、「痛い」と血混じりに呟いて、「俺たちの子供達をさ、ロケッターにしてくれてさ、ありがとうな、ほんと、それさ、普通だよ、すごいよ、繋がってるよ、ありがとう」と弱々しく呻いて、事切れた。

勘弁して欲しかった。

テルが言うことに逆らうことは、僕には絶対に出来ないのに。

僕は、テルの握っていたマイクを奪って、跪(ひざまず)いたまま、「死ね!みんな死ね!」と叫んだ。

思ったよりも落ち着いたトーンだった。

テルの頭は重く、腕は軽く、何もかもが信じられなかった。

手が痺れていた。

「返せ!俺たちの人生を返せ!年金返せ!卑怯な奴らめ、返せ!」と、ゆっくり、ゆっくり叫んだ。

どこか、違う人間が言っている言葉を聞くような気持ちだった。

全て、テルが言っていた言葉だった。

僕は凡庸だった。

みながエモーショナルな表情を浮かべ、高揚し、僕を肯定した。

「産まない、産まないことで守ってやる、産む、産んでも借金にがんじがらめにならないように、命の長さを決めて、税金から逃れさせてやる」ぐるぐると、どうどう巡りのことにとらわれて、僕は動けなかった。

僕の子供は、もう保育器の中にいて、ロケッターの手続きを、すでに行なっていた。

本当に、僕は、何かを動かすような力を持っていなかった。

みんながテルを肯定する。

足元のガラスの破片が光って、跪く僕の顔を映した。

僕はテルの顔になっていた。

ロケットへ

そして今の時間に戻る。

僕は、もう動画を撮らなくても良いのに、目の前に広がる光景の字幕やカット割りのことを考えていた。

ロケットの中に、薄い霧が出始めていた。

僕の腕に、管が入り、血管は、ぽつぽつと、薬を受け入れていた。

手厚い保証が約束され、教育された子供達は、実に強くたくましく、様々な事業で成功を収めた。

僕は資金繰りに奔走することもなくなり、財団を作り、さらに手厚い福祉を未来の子供達に約束した。

命が制限されているから、僕は馬力を出せたのだと思っていた。

しかし、いまわの淵に、こう思った。

「僕はまだ本気になれていなかったんじゃないか?」と。

走馬灯のこと

僕は急に後悔し始めた。

息子を保育器の外から見たことを思い出した。

息子は大きく息をしていた。

彼の肌はざらついていた。

つぶれそうな指だった。

風船のようだ。

そして、はちきれそうだった。はちきれるのは僕のほうだった。

薬が効いてきて、30年が終わろうとしていた。

安楽死を「選んだ」日から、30年というように、日付を変えた方がいいんじゃないだろうか、制度がおかしかったんじゃないかと思い始めた

目の前の金ばかり追いかけちゃダメだよとしたり顔で言ってくる投資家の友人の顔が浮かんだ。

彼らはうるさかった。

幸福なロケッターたちが、未来のために、十分に保障を受け、教育を受けさせてもらえることを思い、僕も幸せな気持ちになった

しかし、僕の中で、僕が反論した

「なぜ、ロケッターが優先されるんだ?」と。

「全ての子供達に教育を保証しろよ」と、僕が怒った。

一体誰に?

犠牲になるのは、みんな子供達だった。

そんな子供達に、お前たちは30歳で死んでこい、と、僕は言ったのだ。

僕が、テルに反抗することなんて、恐ろしくて出来なかったから。

テルがこの世にいなくなっていても、僕は僕に反抗することなんて、出来なかった。

怖かったから、全部を制度のせいにして、僕の言うことを聞く、良い子の、ロケッターに手厚い福祉と教育を保証し、言うことを聞かない、悪い子たちに、重税を課し、まるでそれが真の平等であるようにした。

怖くて逃げ回って、自分には権力なんてないと信じきっていた。

圧政だったり、ひどい制度というのは、ひどい思考の末に行われるものだと思っていた。

テルに「普通だ」と言い聞かせられてきた臆病な「僕」みたいな人間が、圧政を行ってしまった。

止めなければ、と、取り返しのつかないことを巻き戻したい気持ちが襲ってきて、耐えられず、僕は煙の中でもがいた。

僕は気が狂ったのかもしれない。

「返せ!」と叫んだ自分の声がロケットの中で揺れ、窓を開けようとした。

30年の終わり

開けようとした窓が、外側から空いた。

センヨウさんが、僕のロケットを開けたのだった。

最初、光と空気に満たされ、眩しくて目が潰れるようだった。

目を反射的に閉じている間、センヨウさんは僕に話しかけた。

妄想か幻覚か、センヨウさんが本当に存在しているのか、僕にはもうわからなかった。

くたびれた声だった。

彼は宇宙研究を始めていた。

新しい街を作るから、手伝って欲しいと言われた。

宇宙にいけば、きっと開けていて、自然で、定員なんて無いと思いたかったけど、宇宙には絶対に定員がある、と、僕は僕の中で思った。

僕は、「新しさ」に、なんの希望も持てないでいた。

閉じ込められていた瞬間まで、僕は制度を変えなければともがいたのに、いざ蓋を開けられるとすくんだ。

センヨウさんが蓋を開け、四角く切り取られた世界は、あまりに、あまりに眩しくて、淀みきっていたロケットの中の空気を2秒で入れ替え、僕の中に、情けなくも、希望のようなものが湧いてきてしまった。

僕は泣いた。

自分の空気の入れ替えのために、かりそめの新しさのために、僕はあらゆる人を騙したような気分になった。

借金のない、稼いだお金を全部自分で使うことが出来るためなら、僕はなんだってしたかったはずだった。

肺が圧迫された。

僕の胸の上に、息子が入ったロケットが乗っていた。

番号が、息子のものであることが、手で触って確かめてわかった。

驚き、持ち上げようとしたら、手に力が入らず、ロケットに胸毛がへばりつき、またストンと胸の上に戻り、小さなロケットのドアが開いた。

息子は中にはいなかった。

「保育室です」

と、センヨウさんが告げた。

無数の後悔に襲われ、僕は「情けないけど、息子に恨まれるのが怖いんだ」と返した。

今すぐ死なせてほしかった。

「ど、どうやって入ったんですか」と、センヨウさんに聞くと、

「正面から、開けたいので開けさせてくださいって言ったら開けさせてくれました。」とそっけなく返される。「みんな、外部からのお願いには、もう反抗する気力が無いんでしょう」

センヨウさんは続けた。

「まだ、彼は、あなたの息子さんは、社会に出てませんからね。まだなにが好きなのかも、なにが苦手なのかも、どんな風にものごと受け止めるかも、未知数ですよ。そんな赤ん坊は、まだ人間じゃないですよ。息はしてますけど、何を思っているかはわからないです。」と言って、急に涙を流した。

「私は、社会の仕組みは理解しているだけなんです、子供が生まれてこなければ、子供は辛い思いをしなくて、借金をしなくて良いんです。でも、私は理解しているだけで、一つ一つの生活と世界が繋がっているってことを、本当に理解してはないんです。子供は、まだ人間じゃなくて、何を思うか、何を背負わされると嫌で、何を安心だと感じるか、腹がたつのか、どのように自由を捉えるか、まだ、決まってないんです。せいぜい快か不快かくらいしかないんです。まだ、あなたは憎まれてないんです。」

逆光で、センヨウさんの顔が、ぐにゃぐにゃになって、テルの顔に見え、僕は目を見開いた。

「これから憎まれるんです。」

僕のひたいの上に、センヨウさんの、テルの、涙と、鼻水が、ぼたぼた落ちた。

「あと、恨まれたくないなら洗脳したらいいんじゃないですか」と、センヨウさんの真面目な顔に戻って言った。

僕は泣いた。

どこに、正解があったんだろうか。

どこに、ずるく無い明日が、子供に保証できる未来があったんだろうか。

僕はそれを、見逃して、気づいたら手放してしまっていたのだろうか。

自分が決めたことを覆さない、ということに、テルは誇りをもっていた。

僕はテルと全然違った。

僕は、自分が決めたことを覆す道を選んだ。

センヨウさんは、フラフラでつまようじみたいな僕の腕を抜けるかと思うほど引っ張ったので、僕はロケットから出る。

新しい光ばかりではないはずの新しい街に引っ越すために、文句を言われながら、文句を言い、自分の権利を主張し、僕が奪ってきた命の制度を食い止めるために、今度こそ、僕自身を裏切らないために。

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20190508

Playing “white feather arrows”was finished.

Thank you all. I always feel I want to touch hearts whose I don’t know.

So if I get the winner of it, Many people come my Exhibition, I think this is my next assignment is to expand my audience base for I occasionally think it.

And I pleased to I performed well, this is really lucky, though I have to learn about the narration skill.

82kimjiwon

「82年生まれ、キム・ジヨン」

82年生まれ、キム・ジヨン (単行本)

82年生まれ、キム・ジヨン (単行本)

冒頭から15分で、わっと泣き出してしまいそうになった。

幼少〜小学生

小さいころから、自分でも気づかない間に、女性は当たり前に、小さくいろいろなものを損なわれている。

それが当たり前で、みんなそうで、あの頃はみんなそうだったから。

周りの男性は、ひどい時もあるが、基本は寄り添ってくれて、間違えて怒った先生も、「気づかずに怒ってすまない、なにかしてほしいことはあるか」と優しく言ってくれて、心がほどけるのだが、追い打ちをかけるように、「でもあいつはお前が好きなんだよ」と、こちらでは理解できないことを言う。

なぜ、精神的に未熟な男の子のために、女の子は損なわれなければいけないのかを、ずっと諦めていたのかもしれないけど、いくつになっても、未熟さによって、誰かが損なわれるべきではないと、本当に思った。何歳になっても、問題は複雑さを極めていくだけで、ジェンダーイコールについてを、みんな、小説の中ではじっと聞けるのかもしれない。少なくとも、この本が「売れてる」ということが、これから、大きな力になっていきそうに思う。 

就活

出てくる誰もが優しくて報われない

女性やなんらかの弱い立場にたつ人であれば、必ず感じたことのある矛盾と悔しさのエピソードに溢れているのに、直接的にえぐるというよりは、やわらかい眼差しで整理していく。
出てくる(男性含め)登場人物は、主人公に意地悪なわけじゃない。嫌な人はいない。だけど、ガラスの天井と、出口のない迷路にぽつんと取り残される。ジェンダーイコールの問題は、マジョリティv.s.マイノリティではない。敵は、どうしようもない「慣習」であり、慣習は私たちのアイデンティティに深く結びついている為、本当に事態は複雑なのだと思う。

ラスト

後味を悪くするのは、本当に「正しい」と思った。

全体的に

読んでいる間中、ほんとうに胸がつまる思いで、そうだそうだそうなんだよ、と思いつつ、小説の語りの「カタルシス」に救われる思いもあった。

あと、私の夫は「家事を手伝う」とは絶対に言わない。こういう、「これを言うと他人が損なわれてしまう言葉」も学べるので便利。彼も、「手伝う」と言ってはいけない理由を、私に出会う前に学んだのだと思うので、かなり意識的に、言わないし、言っている人をたしなめるが、知らなければ、または、そのようなものを深く理解していなければ、言ってしまうと思う。

私自身、知らぬまま、誰かを損なうことがあると思う。私はたまたま女性に生まれただけで、きっと、もっと違う人たちを傷つけてしまっているのではないか、私は、本当に初心にかえらなければならないと思う。

(電車の中で、「そんな腹になるまで地下鉄に乗って働くような人が、何で子どもなんか産むのさ」と言った女の子は、形を変えた私だと思う、そういうことを本当に思っているわけじゃないんだけど、そういう権化になってしまう恐れを、私は抱えている、そうさせたのは、様々な仕組みだということは理解しているけど、まだ、逃げきれていない。)

diary_translation

最近CV英訳していて思うのは、日本語の展覧会のタイトルは大変言葉遊び的であるということです。

日本語の中に、作品を表すための言葉以上の言葉を、詩性を詰め込みたがるのかもしれません。日本語を使うのであれば、作品以上の意味合いで遊んでしまうという、言葉の特性を知るといいのかもしれないと思いました。

また、作品はシンプルに表したものの方がわかりやすいときもありますし、冗長であっても、まさにこの作品群を捉えるにふさわしい、というしっくりくる感じがあると、展覧会名とともに、作品群もひとつひとつが輝き出すような感じがします。

まとめ:日本語の展覧会のタイトルは言葉遊び的で、他の意味も入り込む。シンプルにしつつ、しっくりくることも大事。

心を込めて。みなみでした!

201902curlyhair

https://www.instagram.com/p/Bt2V691D0DY/

2019. Feb. 14 my hair style.#curlyhair #curly #curlygirl #curlyhairstyles #curlynaturalhair #curlygirls #deepcurly #curlynatural #CurlyHair #naturallycurly #curlygirlmethod #curlygirlcommunity #curlylife #curlybeauties

https://www.instagram.com/p/Bt2WHiVD9_D/

2019. Feb. 10 my hair style.#curlyhair #curly #curlygirl #curlyhairstyles #curlynaturalhair #curlygirls #deepcurly #curlynatural #CurlyHair #naturallycurly #curlygirlmethod #curlygirlcommunity #curlylife #curlybeauties

https://www.instagram.com/p/Bt2WVAfjKa4/

2019. Feb. 4 my hair style.#curlyhair #curly #curlygirl #curlyhairstyles #curlynaturalhair #curlygirls #deepcurly #curlynatural #CurlyHair #naturallycurly #curlygirlmethod #curlygirlcommunity #curlylife #curlybeauties

こんな感じかな。

スパイラルカールを意識できるようになってきた!ワックスは使ってないので、ワックスありのカールスタイルにチャレンジしてみたいな。

まとめ:彩り豊かにしてみると髪はより楽しい!

20190126ikokunikki

違国日記(1)【期間限定 試し読み増量版】 (FEEL COMICS swing)

違国日記(1)【期間限定 試し読み増量版】 (FEEL COMICS swing)

 違国日記、いいです!全ての、「誰かと一緒に暮らす人」におすすめ。

一応言っておくと、「異国」は全く関係ないです。最初「異国ルポルタージュか??」と思って開いたけど、いわゆる「疑似家族もの」あるいは「ある日突然親になる系」です。年の離れた親戚の女性二人の共同生活です。まったく価値観が異なるので、「違う国の女王ふたり」になるわけです。日常で感じる、「あ、このひとは違う国の人だ」・・・という心のざわつきを上手に描き、かつ、救いがあるので読後感はさわやか。

こういう「疑似家族もの」のセオリーだと養子になったりするのですが、まきおちゃんは未成年後継人であるにとどまります。彼女はマンションも買って自分の城を作り、人生で子どもと接点のない、自分だけの国を作り上げた女性です。そんな彼女が愛する「ひとりでいること」の中に、たくさんノイズが入ってくる、揺さぶられていくのは、単純にいい話だとも割り切れず、こころがキュっとなります。「ひとりで生きていくことをえらぶ」は、別に悪いことじゃない、彼女が自分の意思で選んだことだから。たぶん、引き取る前は、何よりもひとりでいることを優先にしていたのではないでしょうか。そういう、人生の最優先事項を、自分の勢い(というより、倫理観)で朝(登場人物の名前)を引き入れることによって、一番の優先事項にはなかなかできなくなっていくという事実も、この作品を読み応えがあるものにしています。

「一人一人の感じ方はそれぞれであり、それに干渉されることはない。」といったような、初期に出てきてなんども繰り返される言葉も素晴らしい。だけど、一緒に暮らしていくとなると…など、言葉がしみるし、その言葉が生活に染み渡っているように感じる作品です。個人的には、姉はまきおちゃんのことが好きでしょうがなかったんだけど、陽キャ故にねじ曲がって伝わっちゃったんじゃないかなあ。そして、朝の「今日のごはん」が、地に足がついていて、試行錯誤していて、いい。生活を愛する人という感じがする。

何回か読み直しているのですが、ヤマシタトモコさんという人は、とてもたくさん作品を作っている。めまいがするくらい。こんなにたくさん描いてきたら、こんなにも深く美しい作品を作ることができるのか・・・と思うと感極まった。私も描いていこう。

試し読み版

違国日記(1)【期間限定 試し読み増量版】 (FEEL COMICS swing)

違国日記(1)【期間限定 試し読み増量版】 (FEEL COMICS swing)

違国日記(1) (FEEL COMICS swing)

違国日記(1) (FEEL COMICS swing)

違国日記 2 (フィールコミックスFCswing)

違国日記 2 (フィールコミックスFCswing)

違国日記 3 (フィールコミックスFCswing)

違国日記 3 (フィールコミックスFCswing)

所持機材公開

私が主に使用しているワークツールについてです。機材レンタルも承っておりますので、お気軽にコンタクトフォームよりお声がけください。

BenQプロジェクター 

BenQ プロジェクター MW632ST 短焦点モデル (DLP/WXGA/3200lm/2.6kg)

BenQ プロジェクター MW632ST 短焦点モデル (DLP/WXGA/3200lm/2.6kg)

  • 出版社/メーカー: ベンキュージャパン
  • 発売日: 2015/09/11
  • メディア: Personal Computers
 

[BenQ プロジェクター MW632ST 短焦点モデル (DLP/WXGA/3200lm/2.6kg)]×1所持。

夏前に、5年使ったプロジェクターを売って、テレビで展示を作るだけにしようと思っていたけど、いいプロジェクターに出会えたので入手。BenQのプロジェクターです。 やや明るくても見える。これ1つリュックに背負って、どこでも展示ができるというのも魅力的

 

 オリオン 32V型 ハイビジョン 液晶テレビ メーカー3年保証 外付けHDD 裏番組録画対応RN-32SF10

オリオン 32V型 液晶 テレビ RN-32SF10 ハイビジョン 外付けHDD裏番組録画対応

オリオン 32V型 液晶 テレビ RN-32SF10 ハイビジョン 外付けHDD裏番組録画対応

  • 出版社/メーカー: オリオン電機
  • メディア: エレクトロニクス
 

[オリオン 32V型 ハイビジョン 液晶テレビ]×2所持。
同じ物を2つ持っていて、テレビとして使うことは一ヶ月に一度くらい。 展示で使うものとして持っています。 PCスティックをつないで映像を流す。 モニタは昔から静止画やブラウザの閲覧に長けているイメージがあり 映像であればいまだにテレビが綺麗だと思います。 

 

 

I-O DATA スティック型パソコン 

I-O DATA スティック型パソコン インテルCompute Stick  CSTK-32W

I-O DATA スティック型パソコン インテルCompute Stick CSTK-32W

  • 出版社/メーカー: アイ・オー・データ
  • 発売日: 2015/06/12
  • メディア: Personal Computers
 

 

[Windows8.1の入ったスティック型PC]×4所持。

ビデオインスタレーションでは便利です。

私は2012年ごろまではDVDプレイヤーを使っていましたが、

DVDを自宅で焼くという行為があまり好きになれなくて(生焼けとかつらい)、

結局PCスティックにするようにしました。

f:id:goldenmilk:20171022190023j:plainPCスティック

 

ビデオインスタレーションの再生機器は、PCスティックではいかが? – GOLDENMILK

 

USBハブ

エレコム USBハブ 2.0対応 4ポート バスパワー 2.0m ブラック U2H-TZ420BBK

エレコム USBハブ 2.0対応 4ポート バスパワー 2.0m ブラック U2H-TZ420BBK

  • 出版社/メーカー: エレコム
  • 発売日: 2009/08/19
  • メディア: Personal Computers
  • 購入: 7人 クリック: 11回
  

[USBハブ]×2所持。

 

プロジェクターは5日5000円〜の予算感でお貸ししたいと考えています。テレビも同様。2個セットで少しセット価格にできると思います。

 

 

まとめ:所持機材公開で展示前もスッキリ。人の展示の役にもたつ。

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菜食主義者

菜食主義者 (新しい韓国の文学 1)

菜食主義者 (新しい韓国の文学 1)

recommend by jeongina おすすめにはいろんなタイプがあるとおもっていて、例えば、優しい気持ちになってほしいとか、自分がこの本を読んで変化したから読んで欲しいとか。その中で、彼女が勧めてくれたのは、私の作品を彷彿とさせる小説だった。あとがきに書かれた作品のメモ書きにも、「慰めや情け容赦もなく、引き裂かれたまま最後まで、目を見開いて底まで降りていきたかった・もうここからは、違う方向に進みたい。」と書かれてあり、私も白痴や業をテーマにするとき、底までおりていく感覚がある。惜しむらくは、最初の短編では、ヨンへは精神異常者というよりも、夢を恐れつつも自分の中に秩序を見出そうとする、主観的には正常な人間であるのに対して、他の短編では、はっきりと精神異常者として描かれてている点。ただ、そうやって狂ってしまった人をとりまく人々からの目線が、義兄と姉でガラリと変わるし、文章の持つ湿度やテクスチャーも全く変わるので、ハン・ガンという人の筆力の高さに慄いた。

この小説についてではないはなし。話は変わるけど、

「言語は壁」という小説を、今年翻訳してもらったものをjeonginは読んでくれていて、この小説を 勧めてくれたということは、翻訳は質感が伝わることとかも大事にしてくれたんだなと思って、訳者の方に改めて感謝したい。多言語を使っているとわかっていることだけど、言葉は道具にすぎなくて、質感や内容の展開をきちんと描くことによって、言語に依存せずに読者に伝えることができると思う。質感や内容の展開は、言語に依存して生まれるものなので、難しいけど、やることはシンプルだ。

ビブリア古書堂の事件手帖7

ビブリア古書堂の事件手帖7 ~栞子さんと果てない舞台~ (メディアワークス文庫)

ビブリア古書堂の事件手帖7 ~栞子さんと果てない舞台~ (メディアワークス文庫)

 recommended by りさちゃん ビブリア古書堂。通しでいつか読んでみたい。ヴェニスの商人等出てくるが、シェイクスピアありきの物語ではなく、あくまで栞子さんたちありき。嫌なことが続いてハラハラするのが苦手なのだけど、この本はハラハラが心地いい。すでに安定感のある主人公たちの関係だからかな。面白く読みました!シェイクスピアといえば、「ひとりシェイクスピア」という公演が大好きなのですが、そういう原点を思い出しましたよ。りさちゃんありがとう~

umi@uminimalist · 2018年12月5日

今日誕生日なのですが、良かったらおすすめの小説や本を教えてもらえると嬉しいです。洋書も嬉しい!

Twitterで画像を見る

中今 りさ@minimarisu

お誕生日おめでとうございます!全7巻と続きものなんですが、「ビブリア古書堂の事件手帖」面白いですよ♡久しぶりに読み返してどんどんページがめくられていきました(^^)/220:29 – 2018年12月5日Twitter広告の情報とプライバシー中今 りささんの他のツイートを見るTwitter広告の情報とプライバシー

町でいちばんの美女

町でいちばんの美女 (新潮文庫)

町でいちばんの美女 (新潮文庫)

recommend by 飯島モトハさん はじめのほうで結末はわかっていたものの、巻き戻っていくような、「なぜ死んではいけないのか?」という問いも残るような世界観だった。彼女は美貌無しでも受け入れられたいだけではなく、躯を壊していくことも受け入れられたかったのではないか。

ピエタ

([お]4-3)ピエタ (ポプラ文庫 日本文学)

([お]4-3)ピエタ (ポプラ文庫 日本文学)

📕「ピエタ」 recommended by Yuri Uemura ものがたりの始まりと終わりがきちんとつながり、入れ子状に伏線が回収されていくので、構成からしても読後に爽快感を与えており、清々しくさせてくれる。文体と舞台がマッチしている。「全てが取り返しがつかなくなってから」ストーリーが始まることも、素晴らしいと思った。よりよく生きる・・・、 (本と関係ない気持ちを書いても良いかしら?)私はこのような、「よりよく生きる」の世界観で生きてきたけど、自分の生真面目な性質が、誰かに「つまらない印象」を与えていないだろうかと恐れて、落ち込むことが多い。小説は、区切られた世界であり、秩序があるので、逃げ込むように読むことが出来て、とても助かった。このように、伏線のタネを世界中に撒くようにして生きていきたいな。

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春になったら苺を摘みに

春になったら苺を摘みに (新潮文庫)

春になったら苺を摘みに (新潮文庫)

recommended by とみーちゃん イギリスを歩いている時の感覚を思い出す、知的好奇心が旺盛になる本。特に、欧米で有色人(と言っていいのかしら?)が感じる、陰りのようなことがベースに、日常が描かれている。悲しい気持ちを持った時、ほとんどは「さあ諦めよう」と、切り替えてぐんぐん変わっていくのが常なところ、たまに、「しかし、この人と、分かち合えるかもしれない」と思える瞬間を、押し付けるのでもなく、書き留めていてくれている。私の人生の軸も、「日常を深く生き抜く」ということかもしれない。

こちら

ぐっときたことば

自閉症」と診断された人たちは、秩序に固執する。こんあ不安定な世の中で、何か一つでも普通の確かさにすがりたいと思う。 

洗練された男性性は、たとえ洗濯物を干していたって男らしくかっこいいのだ。

子ども部屋を出たその場から、たとえ日本にいても、私にとってはどこでも異国だった。(略)子ども部屋の風が吹いているところは私にはどこでも懐かしい故郷なのだ。

Bの戦場 さいたま新都心ブライダル課の攻防 (集英社オレンジ文庫)

Bの戦場 さいたま新都心ブライダル課の攻防 (集英社オレンジ文庫)

Bの戦場 さいたま新都心ブライダル課の攻防 (集英社オレンジ文庫)

 recommend by 仕事関係の方! 最近、「私は本を読むのが遅いのかしら?」と思っていたのですが、これは計3時間で読め、1Pに4つくらいギャグがあり、ツッコミが追いつかない。この小説、その方が大好きな本だそうで、この本についての話ができるのも楽しみ。仕事に直接は関係ないんだけど、なんとなくこういうことが仕事のチームワークに効いてくるみたいなことってありますよね。話も、だいたいそういう感じだった。そして、私は職場で主人公がいじめられるみたいな展開が苦手なのだけど、そういうこともなくてよかったです。

ベティアンよ帰れ

ベティアンよ帰れ (ハヤカワ文庫 SF 74)

ベティアンよ帰れ (ハヤカワ文庫 SF 74)

 本としては、

世界SF全集〈第32巻〉世界のSF(短篇集) (1969年)

世界SF全集〈第32巻〉世界のSF(短篇集) (1969年)

 こちらで読みました。

前半は、幼児から大学生までの10年ほどのコミュニケーションや感覚の違和感をダイナミックに描いていました(丁度義母と娘のブルースという漫画も平行して読んでいたので、10年ほどの成長を見守るという描き方の良さも感じていました)。小学生時代に級友と円滑にコミュニケーションをとるべく、人間関係を鎖だと捉えて、奮闘する姿は、SFという枠を超えた普遍性を持っていて、自分を思い出して辛いところがある。普通の人間と違うところは、成長しても成長しても、エイリアンであるがゆえの「新しいものを吸収する力」が衰えないところだ。自分の為に絵を描き、燃やし、いつか使う力だろうと思えるような行為は、誰しも心当たりがあるように思う。後半は、あちら側から見た世界の捉え方に入っていく。はっきり異なる描き方でありつつも、前半と後半が手を取り合うように補完しあうようで、ベティアンにとっての帰るところを深く考えました。

たまたま、漫画の

義母と娘のブルース(上) (ぶんか社コミックス)

義母と娘のブルース(上) (ぶんか社コミックス)

 義母と娘のブルースを平行して読んでいたので、「10年以上の義母と娘のささやかな日常を描く」というダイナミックな描き方が共通項としてあげられるかな、と思いました。人間を見守るって奇妙で、それだけで物語ですね。

book カテゴリー

2018achievements

2018年の実績と2019年の作品・仕事について

今年も1年、ありがとうございました。

相変わらず、小さな家で刺繍やノート書き、ノートづくりのそれぞれを組みあわせながら、それらをリュックに背負ってパフォーマンスをして帰ってくるという日常でした。お仕事としては、観光交流サロンでバイリンガルコンシェルジュを務めているのですが、そのことが、作品に影響を与えているように思えます。プライベートでは、アーティストインレジデンスでお世話になった北秋田の鷹巣根森田、私が生まれた場所である徳島に旅行に行くことができました。

制作面では、個展が大きく、小説を韓国語訳(委託)して販売できたことも、一つの自信につながりました。

また、夏に集中して1日1つ刺繍を作ったことで、作品制作がスピードアップしました。

今年の実績

個展案件

Solo Exhibition

The Crying Women

作品制作/図面書き(アナログ)/展示/展示販売/グッズ販売/パフォーマンス

パフォーマンス

Keep my name after marriage
 Replay – Anthropométrie in Asian balcony

小説

Exhibition view

翻訳 Yuki Konno, 協力 Song Iran
執筆/展示/販売

刺繍

刺繍の幅が広がったと思います

ノート

オリジナルノートを作成しました

ありがたいことに、展示はもちろん、旅や人をテーマとしたさまざまな仕事に関わることができた1年でした。

2019年やりたいこと

作品

キレのある作品を作る
作品と向き合う

通販

オリジナルグッズの販売
とあるzineの販売
絵のしごと(挿絵など)
小説販売
小説応募(賞でもイベントものでも賞じゃなくても)

パフォーマンス

特徴的な建物の中でのパフォーマンス

コミッション

ヘアアートや化粧品等のコラボレーション

文章

批評文

まんが

はりつけダーリンを描きたい
インテリアや過ごし方の文章とまんがのあいだのものを連載したい

プライベート

スマートフォンをXperiaにして写メ?を綺麗にとりたい。デスクとか楽しく撮影したい
トレーニングや散歩を続けてみたい

特に、「家」というのが自分にとって大切になってきているので、自分の健康と相談しながら、2019年も活動出来たらいいなと思います。

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物語のおわり (朝日文庫)

物語のおわり (朝日文庫)

 少し古い感じの最初の短編が、物語の中の物語として、重要な鍵になってくる。私は最初の古いテイストの短編に浸ることが出来たので、とても良かった。また、短編は私にとっては「さっきまで仲良くしてた人の話が急に終わり、また知らない人に出会わなければいけないので疲れる」といったデメリットがあったのだけど、緩やかに前回出て来た人々が顔を出してくれるので、重たいエピソードが続くわりに、癒しも多くある。私にとっての読後感は、心地いいものだった。北海道の光景が目の前に広がるみたいな。

イワン・デニーソヴィチの一日 (新潮文庫)

イワン・デニーソヴィチの一日 (新潮文庫)

新潮文庫で読みました。recommend by 近藤昌美先生  本を読んでいると本の世界の顔になるというか、ピリピリ、閉じ込められた囚人のような顔を数日を過ごしました。中佐のことを考えると、自分も閉じ込められておびえているような気持になる。当然、こういった日々の中でも、幸福ややりがいはあり、喜びもあるけれど、やはり、人が人を脅し、制圧する、その流れが止まらないということの恐怖を強く感じたのでした。

Lily ――日々のカケラ――

Lily ――日々のカケラ――

recommend by すんすん  前述の「イワン・デニーソヴィチの一日」を読みつつ、朝寝ぼけている時や、お風呂上りのぽかぽかしている時に読んでいたので、とても救われる、癒される気分になりました。私は引っ越してばかりなので、部屋とはまだ馴染みきれていないというか、緊張感があるのですが、なるべく部屋で安心してのんびりできるようになりたいなあ、と、ヒントをいっぱいもらいました。「人はコピーするので、素敵な物が目に入るようにする」という言葉、いいなあと思いました。バレリーナの写真を貼るように、私はゆり子さんの本を飾っておきたいな。写真とエッセイがぴったりシンクロしていて、「エッセイを書いてから、ゆり子さんのおうちに行って写真家さんと撮ったのかな?いいなあ」なんて考えました。心がくさくさした時に、またあったかいカフェオレを入れて、ぽかぽかしながら事あるごとに読み返したいです。

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