book_20181218

春になったら苺を摘みに

春になったら苺を摘みに (新潮文庫)

春になったら苺を摘みに (新潮文庫)

recommended by とみーちゃん イギリスを歩いている時の感覚を思い出す、知的好奇心が旺盛になる本。特に、欧米で有色人(と言っていいのかしら?)が感じる、陰りのようなことがベースに、日常が描かれている。悲しい気持ちを持った時、ほとんどは「さあ諦めよう」と、切り替えてぐんぐん変わっていくのが常なところ、たまに、「しかし、この人と、分かち合えるかもしれない」と思える瞬間を、押し付けるのでもなく、書き留めていてくれている。私の人生の軸も、「日常を深く生き抜く」ということかもしれない。

こちら

ぐっときたことば

自閉症」と診断された人たちは、秩序に固執する。こんあ不安定な世の中で、何か一つでも普通の確かさにすがりたいと思う。 

洗練された男性性は、たとえ洗濯物を干していたって男らしくかっこいいのだ。

子ども部屋を出たその場から、たとえ日本にいても、私にとってはどこでも異国だった。(略)子ども部屋の風が吹いているところは私にはどこでも懐かしい故郷なのだ。

Bの戦場 さいたま新都心ブライダル課の攻防 (集英社オレンジ文庫)

Bの戦場 さいたま新都心ブライダル課の攻防 (集英社オレンジ文庫)

Bの戦場 さいたま新都心ブライダル課の攻防 (集英社オレンジ文庫)

 recommend by 仕事関係の方! 最近、「私は本を読むのが遅いのかしら?」と思っていたのですが、これは計3時間で読め、1Pに4つくらいギャグがあり、ツッコミが追いつかない。この小説、その方が大好きな本だそうで、この本についての話ができるのも楽しみ。仕事に直接は関係ないんだけど、なんとなくこういうことが仕事のチームワークに効いてくるみたいなことってありますよね。話も、だいたいそういう感じだった。そして、私は職場で主人公がいじめられるみたいな展開が苦手なのだけど、そういうこともなくてよかったです。

ベティアンよ帰れ

ベティアンよ帰れ (ハヤカワ文庫 SF 74)

ベティアンよ帰れ (ハヤカワ文庫 SF 74)

 本としては、

世界SF全集〈第32巻〉世界のSF(短篇集) (1969年)

世界SF全集〈第32巻〉世界のSF(短篇集) (1969年)

 こちらで読みました。

前半は、幼児から大学生までの10年ほどのコミュニケーションや感覚の違和感をダイナミックに描いていました(丁度義母と娘のブルースという漫画も平行して読んでいたので、10年ほどの成長を見守るという描き方の良さも感じていました)。小学生時代に級友と円滑にコミュニケーションをとるべく、人間関係を鎖だと捉えて、奮闘する姿は、SFという枠を超えた普遍性を持っていて、自分を思い出して辛いところがある。普通の人間と違うところは、成長しても成長しても、エイリアンであるがゆえの「新しいものを吸収する力」が衰えないところだ。自分の為に絵を描き、燃やし、いつか使う力だろうと思えるような行為は、誰しも心当たりがあるように思う。後半は、あちら側から見た世界の捉え方に入っていく。はっきり異なる描き方でありつつも、前半と後半が手を取り合うように補完しあうようで、ベティアンにとっての帰るところを深く考えました。

たまたま、漫画の

義母と娘のブルース(上) (ぶんか社コミックス)

義母と娘のブルース(上) (ぶんか社コミックス)

 義母と娘のブルースを平行して読んでいたので、「10年以上の義母と娘のささやかな日常を描く」というダイナミックな描き方が共通項としてあげられるかな、と思いました。人間を見守るって奇妙で、それだけで物語ですね。

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