少し古い感じの最初の短編が、物語の中の物語として、重要な鍵になってくる。私は最初の古いテイストの短編に浸ることが出来たので、とても良かった。また、短編は私にとっては「さっきまで仲良くしてた人の話が急に終わり、また知らない人に出会わなければいけないので疲れる」といったデメリットがあったのだけど、緩やかに前回出て来た人々が顔を出してくれるので、重たいエピソードが続くわりに、癒しも多くある。私にとっての読後感は、心地いいものだった。北海道の光景が目の前に広がるみたいな。
新潮文庫で読みました。recommend by 近藤昌美先生 本を読んでいると本の世界の顔になるというか、ピリピリ、閉じ込められた囚人のような顔を数日を過ごしました。中佐のことを考えると、自分も閉じ込められておびえているような気持になる。当然、こういった日々の中でも、幸福ややりがいはあり、喜びもあるけれど、やはり、人が人を脅し、制圧する、その流れが止まらないということの恐怖を強く感じたのでした。
recommend by すんすん 前述の「イワン・デニーソヴィチの一日」を読みつつ、朝寝ぼけている時や、お風呂上りのぽかぽかしている時に読んでいたので、とても救われる、癒される気分になりました。私は引っ越してばかりなので、部屋とはまだ馴染みきれていないというか、緊張感があるのですが、なるべく部屋で安心してのんびりできるようになりたいなあ、と、ヒントをいっぱいもらいました。「人はコピーするので、素敵な物が目に入るようにする」という言葉、いいなあと思いました。バレリーナの写真を貼るように、私はゆり子さんの本を飾っておきたいな。写真とエッセイがぴったりシンクロしていて、「エッセイを書いてから、ゆり子さんのおうちに行って写真家さんと撮ったのかな?いいなあ」なんて考えました。心がくさくさした時に、またあったかいカフェオレを入れて、ぽかぽかしながら事あるごとに読み返したいです。